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何処から?、何者?、何処へ?


by kusini
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Kさんのこと(その1)

就職した年の夏、下関からフェリーで韓国釜山へ行きました。

雑魚寝の三等船室で、京都で茶道の勉強している長身のカナダ人と旅行中のニューヨークに住む若い画家と知り合いました。

私は一週間の夏休み中、ソウルから板門店近くまで行って韓国を縦断しようと計画していました。
ふたりはビザの関係で来ただけで、すぐに日本に戻るということです。

翌朝、3人は釜山の街をうろうろしていました。
初めて韓国だったが、どの店も小さく、工事中の空き地があり、人は多く、でも日本人の外見と変わりはなく、私が子供のころの日本にタイムスリップして来ているような感じでした。

そのとき街中で声を掛けてきたのが、Kさんでした。
カナダ人とお茶の留学生仲間で、彼があまりにも背が高かったので偶然遠くから目に付いたらしいです。

お茶を出す喫茶店を開いたばかりだということで、繁華街にある自分の店に連れて行ってくれました。
落ち着いた雰囲気と調度品に囲まれた店内で、お客が選んだ陶磁の茶碗で緑茶や韓国の伝統茶を楽しめるようになっていました。
彼は、すたれ気味になった韓国の茶文化を普及させたいといっていました。

Kさんは、韓国釜山らしい場所を見てみたいという私たちの希望に応えてくれました。

チャガルチ市場通度寺太宗台、お茶を嗜む知合いのお坊さんのお寺、光復洞の夜の賑わいと真夜中の厳戒令、お店の小さなステージでの伝統女性舞踊、2日間私たちには最大級のもてなしでした。

Kさん宅に泊まったときは、カナダ人が「茶道が日本人の精神性にいかに大きな影響を与えているか」という説明を英語でアメリカ人にするために、Kさんと日本語で相談していました。
日本人なのに実際にその知識がない私は、恥ずかしかった記憶があります。

そのあと私だけ、ソウル-汶山(ムンサン)まで行き、釜山でもう一泊Kさんのお世話になり、フェリーで戻ってきました。

次に、Kさんと合うのは5年後でした。

(つづく)

by kusini | 2006-02-22 08:11 | 風景